軍事転用の戦慄 ロボット

何気にテレビをつけたらすごい内容で食らいついた。ちょっと重い内容。

NHKスペシャル

NHKスペシャル 危機と戦う・テクノクライシス 第2回「軍事転用の戦慄 ロボット」(再放送は7月24日深夜)

GPSや姿勢制御の技術などの高度な技術が「誰でも」「安価に」使用できる現代では何が起こりうるか。

番組では「巡航ミサイル」を60万円程度で完成させることができると言う人物が紹介されていた(その技術をウェブで公開すると宣言して激しい非難に合い、現在ではその計画は停止している)。ほかにも自動車を自動走行させたり、ヘリを自動操縦させたりする研究が紹介されていた。

戦争における「人殺し」の心理学』とあわせて考えると、「ロボット」を通すことで「殺人との物理的距離」が大きくとれることに恐怖を抱いた。人殺しの抵抗感は、物理的距離に大きく影響される。対象までの距離が遠いか、レンズを通しているか、ナイフか銃弾かなど。

「戦車」という兵器がある。

戦闘における「戦車」はその性能だけみた場合、どう考えても実際の結果ほどの戦果はあげられないという。

戦車という機械の介在は、ライフルなどに比較して砲弾の発射動作と実際の発射に距離(機械的距離)が生ずる。その距離によって心理的抵抗が劇的に低下し「殺せない」から「殺せる」に変化したため、性能以上の戦果が上がるというりくつだそうだ。

第二次世界大戦当時の発砲率は、約2割であった。なぜそんなに撃たないのかというと「同じ人間を殺したくない」という気持ちが強くはたらくから。

しかし距離があるとその気持ちはかなり薄らいでしまう。残念ながら。

原爆を落としたパイロットは「私はボタンを押しただけ」と自分に言い聞かせて納得するし、戦闘機のパイロットは「標的を撃破した」と表現する。

白兵戦でナイフや銃剣で敵兵を一人でも殺した場合、心理的トラウマに苦しむ可能性は最高になる。しかし、桁違いの人を殺す爆撃機の乗員で心理的トラウマに苦しんだ者はほとんどいない。

ロボットを使えば、思いつく限りの最長の距離をとれることになる。

「誰でも」「安価に」

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コメント / トラックバック 1 件

  1. 匿名 より:

    「戦車」は馬で牽引するチャリオットのこと。