VRアミューズメント体験施設の「VR ZONE」でVRを満喫してきた

目次

VR ZONE Project i Can に行ってきた

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東京お台場のダイバーシティにある、バンダイナムコが運営するVRアミューズメント体験施設「VR ZONE Project i Can」に行ってきました。

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この施設ではVRゴーグルを装着してのアトラクションが楽しめます。予約制で、予定時間ごとに人数が決められて開放されます。VRアトラクションは6つから自由に選択でき、1プレイあたり700〜1000円で、それぞれの体験時間は10分前後です。開催期間は2016年10月頃までが予定されています。

めちゃくちゃ楽しかった

感想をひとことでいうと「めちゃくちゃ楽しかった!!!!!」です。

僕のVR経験値は、Oculus Rift によるジェットコースター体験と、GAME ON での PlayStation VR による銃撃戦ゲーム程度ですが、VR ZONEは本気度が高いアーケード型の専用施設なだけあって、それらとは別物でした。VRゴーグルの体験はもちろんのこと、専用筐体が動いたり振動したりしますし、1つのアトラクションだけで40平米くらいの部屋をまるごと用意していたりします。

そんなVR ZONEのアトラクション6種類うち、僕は4種類のアトラクションをプレイしました。

「アーガイルシフト」はシューティング要素よりも「VR空間内のCGキャラクター」との距離感に注目

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「アーガイルシフト」はコックピット型のシューティングゲームです。映像は3D CG空間でのプレイとなります。ゲーム内容としては、VRゴーグルの向きで照準し、レバーで機体を調整してボタンで射撃します。座席は揺れたり動いたりする体感型筐体です。

そして演出としてナビゲーターの3D CGの女の子「アイネ」(ポスターの絵の子)がそばにいて常に話しかけつつ、目の前に迫ってきたり、隣に座ったりします。アイネはやたらと露出度が高く、距離も近いので、見ているだけでそわそわします。僕はシューティングよりもこの女の子の存在のほうがメインのVR体験だなと思いました。 

というのも、VRゴーグルには空間センサーがあり、顔の向きだけでなく前後左右への移動もVR空間内に反映されます。顔を前に出せば出したぶん視点が前に移動しますし、そのまま向きを変えれば、覗きこむこともできます。

なのでたとえばアイネの胸元に自ら接近できますし、首を回りこませて横から見れますし、横に座った時は背筋を伸ばして上から見下ろしたりできます。マア、ナンデスカ、ヨウスルニ、トテモエロイデス。1プレイの料金は決して安くはないので、恥ずかしがらずに可能な限りのポジションをとって視点変化を試しましたよ、ええ。

アーガイルシフトのVR内映像は「凄すぎるVRゲーム体験!ナムコVR施設「VR ZONE」レポート - GAME Watch」にスクリーンショットがあるので、ご覧ください。

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なお、このアトラクションでは自分の手にセンサーをつけないので、空間内のものに手をのばすことはできません。オイタハデキマセンヨ。

で、そういうのは別としても、これを体験すると、PCやスマホで体験できる「VR」と称した向きだけを変えられる360度映像は、ただの映像の延長だな、という気持ちになります。360度映像は自由度が2次元ですが、これは3次元の空間ですし、視差を利用した3D映像なので対象物との距離もリアルですから、まったく別物です。

とはいえ3次元の空間を視点移動すること自体はVRじゃなくてもできますが、コントローラやマウスでの操作とは違い、VRは現実の自分の体の動きのフィードバックの結果として目の前が変化します。これは例えるならリモコン操作のラジコンと実際に運転する乗り物との違いくらいに、臨場感に差があります。

人間を模した存在がVR空間にいるだけでかなり衝撃的な体験なのに、これに双方向のコミュニケーションが加わったらどうなるんでしょうか。PlayStation VRは絶対に発売日に買おうと思っていますが、コミュニケーション系の体験がどんな感じになるのか、ほんとうに楽しみです。よほど期待できないタイトルでない限りは、ローンチ直後のPlayStation VRタイトルは全買いするつもりです。

「高所恐怖SHOW」はゲームとしては微妙だが、現実と連動することの可能性を感じさせる

「高所恐怖SHOW」は、VR空間内の高所に設けられた細い板先にいる子猫を救出するアトラクションです。プレイエリアの現実の部屋の中にも板と子猫の人形が置かれており、板や子猫にもセンサーついていて、VR空間内の猫の位置と連動します。そしてセンサーつきの靴を履き、手にはセンサーをつけるので、足と手の動きもVR内に反映されます。

プレイしている様子のわかりやすさからか、VR ZONEにおけるプロモーション的に最もフューチャーされていますが、個人的には怖さも面白さも期待値以下でした。なんで面白くなかったのかなと考えた所、「ゲーム性」に「VR的な怖さ」を難易度として導入することの相性の悪さがあるのかな、と思い至りました。

これはどういうことかというと、まず、このゲームは子猫を助ける目的のミッションがあり、障害として用意されている要素がVR空間での仮想的な高所表現です。その「子猫を助ける」という目的達成の手段として、僕はVRを否定するかのように「そもそも高所に感じないように、仮想空間に没入しすぎないようにしよう」という作戦をとってしまったんですね。

プレイを思い起こすと、目の前のVR空間とは別に脳内に現実空間も再現され、「現実のほうはこんな感じだろうなな、だったらこう動けばいいのかな」という、面白みのないガチプレイになってしまいました。なんというか、目隠し的な遊びだったなあ、というのが正直な感想です。

「怖さを楽しむ」というだけのエンターテイメント的なものであれば迷わず没入できますが、「怖さを克服してクリアする」というミッションになってしまうと、没入すればするほどゲームクリアを難しくしてしまいます。怖さも受け入れるかたちでちゃんと没入しないとクリアできないようなインセンティブ設計が欲しかったですね。

子猫を拾ったあとは余裕がありすぎて抱いたままで周りを見渡してみたり、子猫を高い高いしてみたりしていたら、制限時間だからなのか腰に繋がった線をスタッフに軽く引っ張られて「あ、戻れってことかなw」と思い、遊ぶのをやめて足早に戻ったので半ば強制終了となりました。

このように、これそのものの面白さはあまり感じることができませんでした。でも「センサーがあれば現実とVR空間が連動することの可能性」を感じられたのはよかったです。あまり細かい動きまでは連動しませんが、脳というのは面白いもので、VR空間で見えているものと現実の感覚を補完してくれるので、実際の差はたいして気になりません。

現実連動の可能性の幅はアイデア次第でしょう。例えば「CGキャラクターが実際に接客するカフェ」はどうでしょうか。現実のカフェをVR化し、スタッフにはセンサーをつけます。客はVRゴーグルをつけます。スタッフが動けば、VR空間内のキャラクターが連動して動きます。本物のコーヒーも出してくれます。もちろんコーヒーカップにもセンサーをつけましょう。これで好きなキャラクターが『実際に』接客してくれるカフェの誕生です。

現実連動の実例として予定されているのが THE VOIDというVRアトラクション施設で、VRゴーグルを装着して実際の施設内を歩きまわってアクションするものがあります。ぜひやってみたいですね。

「SKI RODEO」は落ちる感覚がヤバい

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「SKI RODEO」はゲームセンターにあるような体感型スキーゲームを、VRゴーグルをつけてプレイするアトラクションです。

ゲーム自体はゲームセンターにあるようなスキーゲームと同じで目新しさは無いですが、コースアウトして谷に落ちたときの感覚がやばいですね。ゲーム自体の難易度は高めで、1回目のプレイでは制限時間内にゴールすることができませんでした。エッジを利かして滑ることを忘れていたので、コースに振り回されて、かなり疲れもしました。

休憩後に2回目に臨んだところ、ちゃんとエッジを利かして滑られたこともあり、無事1分58秒11のタイムでゴールしました。これが早いかどうかはわかりませんが、2回目にとったコースはスタッフの方いわく結構珍しかったみたいです。というのも、このスキーゲームのライン取りは完全に自由で、大きなコース分岐もいくつかあるのに、ヒント的な指示はほぼありません。2回目では先が見えないジャンプ台的な所に突っ込んだのですが、落下してミスになるかと思ったら100メートルほどひゅーーーっと落ちて、下のコースまで飛び降りるラインだったので、ショートカット的なコースでのゴールだったそうです。ゲームとしてはSKI RODEOが一番ゲームらしかったですね。

ちなみにこの「落ちる」という感覚が、最も三半規管にダメージを与えたように思います。「アーガイルシフト」でも機体が落下するようなシーンがありましたが、落下では現実に逆Gがかかることはなく、視界と現実との差異にやられた結果、ばっちりと「VR酔い」になりました。吐いたりはしませんでしたが翌日まで空腹感を感じられませんでした。

「脱出病棟Q」はストレートなホラーゲーム

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「脱出病棟Q」は猟奇的な病棟から2人1組で脱出するホラーゲームです。VRゴーグル以外のデバイスは前後だけできるレバーと、懐中電灯として使うスティック型のコントローラーなので、VR ZONEの中では最も家庭用VRで再現可能な部類のものだと思います。

内容はかなりストレートなお化け屋敷的な演出で恐怖体験ができます。没入していたこともあって、めちゃくちゃ叫びました。開始から途中までは基本的に個人プレイですが、終盤では2人で協力してクリアする場面に遭遇します。アトラクション自体の面白さとしてはやって損は無い感じです。ゲーム中はあえて天井とか足元とか見ると楽しいですよ。

ちなみにこのアトラクションのみ2人1組でのプレイが必須です。それと知らずにひとりで行ってしまい、あちゃーどうしたものかと思ったのですが、会場を見渡したら僕以外にもおひとりさまがいらしたので、声をかけてみたら「お化け屋敷が好きで、これ目当てで来た」ということで、一緒にプレイして頂けました。お付き合い下さった「ぴの」さん、ありがとうございました。残念ながらクリアできませんでしたが、楽しかったです。

スムーズにプレイできれば6アトラクション全てプレイも可能だが、結構疲れるし酔うと無理

VR ZONEの予約枠は90分で、準備や説明に15分ほどかかります。残りの時間でスムーズに回れば6つともプレイ可能ですし、実際僕もプレイ可能なくらいに時間的な余裕はありましたが、酔い疲れたこともあり、4種類5プレイにとどめました。VRゴーグルはつけ慣れてもいませんし、ゲームごとにフィードバックの感覚も違うため、誰でも結構な疲労感や酔いを感じそうだと思いました。

特に酔ってしまうとその後一日中ぐったりしてしまうので、おすすめは早めの時間に行ってその後の予定は入れずにのんびりするのがよいと思います。たとえば遊園地なら並んだりお茶したりと自然な休憩時間がありますが、VR ZONEは90分という限られた時間内に駆け足で未知の体験をするので、思ったより過酷です。

5/30までの GAME ON でのVR体験もあわせておすすめ

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記事中で何度か言及した「GAME ON での PlayStation VR体験」は、東京お台場の日本科学未来館で開催されています。開催期間が2016/5/30までなので、週末に行けるのは今週が最後です。

こちらのVR体験は当日の整理券制となっており、開始時間が整理券の先着順となるため、おすすめとしては前売りチケットを用意して、開館1時間前(9時ごろ)に到着して並ぶのがよいです。僕は平日の開館30分前に到着したところ、正午ごろにPlayStation VRを体験できる整理券を受け取れました。

注意点として、当日券のチケット売り場が開館時間にならないとオープンせず、前売り券なしだと会場入り口に並ぶことができないので、PlayStation VRの整理券目当てなら、前売り券は必ず用意して行きましょう。金曜日のみ17時開始の整理券配布もあるようですので、夕方以降に時間がある方はこちらもよいかもしれません。

VRは「見えない方向」にもアクションできる

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GAME ON ではVRゲームは1つだけ選ぶことができます。僕は「The London Heist Getaway」というカーチェイス銃撃戦ゲームを選びました。

本格的なVR体験が初めてだったこともあり、こちらもかなり興奮しました。このゲームはVR空間内で銃を手にとるので、視点と照準は別々になります。別々だと「左を見ながら、右を撃つ」なんてことができるのです。VRって、見えない方向にも自然にアクションできて、これは革新的だなーと思いました。これまでの一人称視点のアクションでは視点イコール照準でしたが、その制約が無くなります。

そしてまた、視点を固定できないのも演出上の制約として難しそうだなあとも思いました。そっぽを向いてるときにいかに自然にストーリーを進めさせるのか。FPSでは視線がずれたら進行を一時停止させたりしていたように思いますが、VRだと臨場感が高いがゆえにそういった対応では不自然すぎたりするかもしれません。

なお GAME ON の企画展自体はVRがメインではなく、アーケードもコンシューマーも含めたレトロゲームから現在までのゲームが厳選されて展示されており、入場料のみでプレイできます。ほぼ全て稼働展示されており、ゲーム好きならかなり楽しめます。

個人的な自宅用のVRとしては、PC系のVRは見送ってPlayStation VRを待つことにしているので、2016年10月の発売が本当に楽しみで待ち遠しいです。

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