原則を教えてくれる本は、スゴ本率が高いです。この「持たない暮らし」もそのひとつで、示唆に溢れた原則を教えてくれる本でした。さあ、長文いきますよ。
アスペクト (2006/12/01)
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とってもよかったです
すばらしい!!
モノを持たない気持ちよさモノの多さは豊かさをあらわさない
モノのない時代は、「たくさんあること=豊かなこと」でした。
でも、モノが溢れている現代においては、たくさんあることは、むしろ暮らしの貧しさを表現している、といってもいいように思えます。モノがありすぎることで、デメリットの方が多くなっているのです。
コンビニ・スーパー・デパート・レンタル業が発達した現代日本においては、必ずしもモノが手元にあることは豊かさをあらわしません。知識の習得もネットや書籍によって容易になったため、モノがなくても代用できることも増えています。
無くてもなんとかなるモノ、大量に抱えていないでしょうか。
極端な例かもしれませんが、僕は最近、炊飯器を処分しました。炊飯は鍋ひとつあればできます。しかも炊飯器より早く炊けます。保温はできませんが、ごはんは冷凍できますし、冷凍のほうが電気代は節約できます。
参考:ガスコンロでメシを炊く
「持たない暮らし」で持たない4つのモノ
- 自分の管理能力を超えるモノを持たない
- 愛着を持てるモノ以外、持たない
- 自然に還らない、あるいは、次の人に譲れないモノを持たない
- 自分と、自分の暮らしに似合うモノ以外、持たない
重要な原則です。覚えておきます。
日本の家にモノが多いのはなぜなのか
よくいわれるのが「四季があるから」ですが、これってどうしようもありませんよね。この本では、四季に加えて以下の指摘がありました。
和洋ダブルスタンダード
日本の家庭にモノが多い理由は色々ありますが、ひとつは、「和洋ダブルスタンダードの生活様式であること」。
本来は、和服を着て、和食を食べ、「紙と木でできている」と欧米人に驚かれた日本住宅に暮らしてきた日本人ですが、現在では、洋服を着て靴を履き、カレーやスパゲッティ、エスニック料理も作り、椅子とテーブル、ベッドを備えた家に住んでいます。
それでいて、やっぱり着物も持っているし、相変わらずご飯とみそ汁を食べているし、輸入住宅にさえ畳の部屋が一部屋は確保されているし・・・。
つまり、和洋二つのスタイルが一軒の家に共存しているのです。
これにはなるほど、と思いました。特に食器なんかを見るとみそ汁用のお椀、スープ用のお皿、といったように和洋の食器が混在しています。あまり料理をしない人であれば、どちらかに統一してもいいのでは。
リサイクルできることを理由に安易に買い物してませんか
バーゲン会場にて。
「どっちにしようかな~。このデザイン、珍しいよね」
「どっちも似合うよ!両方買っちゃえば?半額だし」
「でも、こっちはちょっとサイズきつめだし・・・」
「大丈夫、それくらいダイエットすれば」
「そうだよね、それに、着られなかったら、フリマに出すとか、寄付すればいっか~」ありがちな光景ですね。
フリマに出すとか寄付するとかって、安易に考えてはいけないそうです。リサイクルショップも同様。フリマは売れ残るし、寄付するにしても、そもそも受け入れてくれるモノは限定されていたり、寄付金も同時に求められることもあるそうです。送料も自分持ちですしね。リサイクルショップはそれこそ二束三文。もう、10円とか50円とかいったレベルですよ。よっぽどのブランド品で人気があって状態がよければ別ですが。
なまじそういった受け皿があることで安心してしまい、それが安易な買い物をしてしまうことに繋がっていないでしょうか。
「売れば済む」なら「買わなくて済む」ほうを。
「もったいない」の真の精神とは
「もったいない」の真の精神は、モノの価値を十分生かして使い、使い倒して使い切ることにこそあります。
「これはいいモノだから」
「高かったから」といって、高級品ほど使わずにとっておく傾向がありますが、それは見当違いというものでしょう。
いいモノなら、なおさらどんどん使って、そのモノの価値を楽しめばいいのです。
重要な原則です。使うために買ったモノを使わずにしまっておくのは、死蔵です。形あるものはいつか壊れるものですから、大事にどんどん使ったほうがいいですね。
使い捨ては、もったいない。
使わないのは、もっともったいない。
使わないくらいなら、買わない、という選択肢も忘れずに。
持たない暮らし=節約生活ではない!
「持たない暮らし」ということ質素な匂いがして、「節約生活」と似たような印象を受けるかもしれません。
しかし、生活コストの削減を目指す「節約生活」に対して、「持たない暮らし」は、必ずしもそうではありません。「節約生活」は、節約すればするほどお金がかからなくなりますが、「持たない暮らし」は、持たないことでかえってコストがかかることもあるのです。
持たない暮らしの目指すところは、持たないことで暮らしを豊かにすることです。基本的に無駄な買い物が減って結果的に節約になることもありますが、そうとも限らないのがミソ。
たとえば、毎日使うご飯茶碗やカップが割れてしまったとします。
「節約生活」ならば、100円ショップのようなローコストのお店で、自分の好みの茶碗を探すでしょうが、「持たない暮らし」では、100円ショップには行きません。ここぞとばかり、以前から目をつけていた素敵な器の店に行き、心ゆくまで茶碗を選びます。少しぐらい高くても、毎日使うものにはお金を惜しみません。
毎日使うものはお金を惜しまない。これは風水整理術にも通ずるところがあります。毎日目にするものが気に入らないものだったら、それだけで気分が落ちてしまいます。ちょっとのことですが、ちりも積もれば山ですよ。
そうはいってもいろいろ買い物したいときは...
「これだけは買っても良い」モノを決めるとよいそうです。
女性が好きな買い物のひとつに「食器」がありますが、食器は収納場所を取りますし、割れたり欠けたりしたかたわれも捨てにくいものです。私はなるべく買いたくないので、定番品の洋皿だけを使うようにしています。
でも、やっぱり器の店は魅力が一杯。「見るだけ」ではつまりません。そこで、場所を取らない「箸置き」や「豆皿」だけは買っても良いことにしています。
買い物ってそれ自体が楽しいですからね。買ったあとに邪魔にならない小物に限定しておけば、あとあとの管理や処分に困ることがありません。
掃除や片付けが苦手な人ほど、持たない暮らしが合う
掃除や片付けが苦手な人、おおざっぱな人ほど、持たない暮らしをオススメします。家事に割く時間が少なくて済みますし、いろいろなことに頭を悩ませなくて済むからです。
掃除や収納が苦手だから、片付けなんて...と思う人は、そもそもモノを持たないほうがよいのです。モノが少ないと、掃除や片付けが本当にやりやすいですよ!(経験者談)
掃除しやすい、すっきりした部屋のポイント
床にモノを置かない
床の上にモノがじか起きされていないことは、部屋をすっきり見せる上で何より大切なことです。床がたくさん見えるほど部屋も広々して見えますし、掃除機や雑巾もかけやすく、掃除がしやすいのです。
もし、今いる部屋の床の上に、モノがじか置きされているなら、それをカゴや箱に集めたり、どこかの上(ただし見えない場所)に乗せるか、何かの中にしまいましょう。グッと広く見えるようになるはずです。
僕もこれを実践するようになってから、部屋がとてもすっきりするようになりました。おすすめです。
食卓の上にモノを置かない
床の上にものが無くなったら、次にチャレンジしたいのは「食卓の上にモノを置かない」ことです。
食卓は、平面としては床の次に広い面積がありますが、家によっては、ここの半分近くの面積をモノが占領している場合があります。しかし、ここにものを置いていないことで、部屋のすがすがしさは倍増するのです。置くとしても、目に入って不愉快でない、美しいデザインのものにしましょう。
食卓の上にモノ溢れている...ありがちな光景です。ホテルや映画やテレビの中で紹介されるすっきりした部屋を思い出してみてください。食卓の上に、モノ、ありませんよね。あったとしても花瓶やフルーツなど美しいものです。僕はこれも実践していますが、効果は大きいですよ!
モノを置くときは、揃えて置く
何でも収納してしまって外には何も出ていない部屋は、モデルルームのようでかっこいいですが、なかなか現実には難しいもの。「後でまた使うから」などと、出しっぱなしにしてしまうモノは少なくありません。
しかし、その場合でも、「揃えて置く」ことを心がければ、出しっぱなしでもそれほど見苦しくはならないものです。コツは、同じ種類のものをまとめて置くことと、細かいものはいったんトレイや箱などに集めること。その上で、例えば服なら畳んで重ねておく、本や書類なら角を揃えて積み重ねるなど、一手間かけておくように気をつけましょう。
一手間でいいんですよ、一手間で。こだわりすぎないことです。
生き物のススメ
生き物といっても、大きなものではなく、一輪の花、一匹の金魚でかまいません。
何であれ、生きているものが部屋にあると、どういう訳か部屋が散らかりにくく、片付けやすくなるのです。
成人してからお花のお稽古を始めた人に聞いたことですが、
「お稽古の後、使った花を持って帰ったんだけど、自分の部屋のドアを開けて愕然としたわ。”こんなに散らかった部屋に、お花を飾ったらもったいない”って」
彼女は急いで部屋を片づけ、お花を活けたそうです。花のある部屋はとても居心地がよく、彼女はすっかり優雅な気持ちになりました。
これ、わかりますよ!僕も誕生日で大きな花束をもらったとき、部屋に持って帰って飾ろうとして、何の気なしに部屋を掃除していたことがあります。
あと最近友だちから「一人暮らしの人は何か生き物を飼ったほうがいいよ。自分だけのために生きていると、心が荒みやすいんだって。植物でいいから、何かのために世話をするといいよ」と聞いたので、さっそくサボテンを買ってみました。見た目のかわいさも手伝って、よい感じです。
あまり使わないものは...
「持たない暮らし」だからといって、何でもかんでも持たずに済まそうというのではありません。あることで暮らしが豊かになるものであれば、毎日使うわけでなくても、多少かさばっても、持つべきだと思います。
しかし、
「”使って便利”と感じる回数より、”邪魔だなあと感じる回数が多い”と感じるようなモノは処分してその場所を空けた方が、また、
「便利そうだけど、効果だし、使う頻度も少ないし、どうしよう」
と迷っているならとりあえず買わずに済まし、他の方法を考えた方が、いたずらにモノを増やすことにならず、かえって暮らしは豊かになるでしょう。
便利系のモノを買うときは、収納・メンテナンスコストに見合うだけの使用頻度があるかどうか?を、しっかり考えた方がよいですね。便利系グッズって、見栄えもあまりよくありませんから、目につくところにも置けませんし。
毎日使うものにはこだわってみよう
少ないもので暮らそうとするとき、とりわけ大切なのは、
「毎日使うモノの質を上げる」
ことです。そのために、たとえば、
「タオルをお気に入りのモノに統一すること」
「石けんを自分で選ぶこと」
をおすすめします。
ポイントは自分で選ぶことです。タオルは贈答品として貰いやすいのですが、いろいろな人から貰ったモノでは統一感がとれなかったり、気に入ったモノとは限りません。石けんは使えば無くなりますが、自分の好きな香りや泡立ちとは限りません。なんでもいいと思って選んだモノに囲まれた暮らしは、何となく満たされません。しかし表面上の不便はないので自覚することができず、ストレスに変化してしまいます。こうなると節約どころではありません。
高価なモノでなくてもいいので、毎日使うものは自分で選んだモノを。ちなみに買い物の際は、「安いから」を理由に買わないこと!安さを理由にすると、つまらないモノを買ってしまいます。
急な解決はリバウンドしかねない
ダイエットの専門家に、
「ダイエットに成功するコツは何ですか?」
と、ダイレクトに訪ねたところ、
「ダイエットをしないことです」
と、即答されて驚いたことがあります。禅問答のようですが、要はこういうことのようです。
”体重を減らし、ヤセること自体は簡単で、わりあいすぐに実現する。問題は、その状態をずっとキープすることなのだ。”
根本的な問題は太っていることではなく「太ってしまう生活習慣」にあるので、それを改善しないことには、すぐにリバウンドしてしまうのですね。
暮らしも同じです。テレビ番組で部屋のモノを一掃する企画がありますが、一時的にすっきりしても、モノをとりこんでしまう生活習慣を正さないことにはすぐ元に戻ってしまいます。暮らしのリバウンドですね。モノをため込まない暮らしを「習慣づける」ことが大事です。
習慣の力で、部屋をすっきりさせる
「いつか時間ができたら、家中の収納をぜーんぶさらって、”これは要る、これは要らない”ってすっきりさせよう」
と思い続けて、早何年も経ってしまった・・・という人は多いと思います。
いっぺんにやるためには、まとまった時間が必要です。現代日本人は忙しいですから、かんたんにそんな時間は作れません。やっと時間が作れたととしても、雨が降ったり、寒かったりしてやめてしまうことも。そこで忙しい人におすすめなのが、
「簡単で、続けられる『習慣』を、ひとつだけ身につける」
ことです。例えばこんな習慣などいかがでしょうか。
- ペットボトル入りのミネラルウォーターを買うのをやめて、ブリタなどの浄水器を使う。実践中ですが、これは本当におすすめです。
- 1日ひとつの引き出しを片づけ、モノを捨てる。2週間で14個の引き出しからモノが減ります。
- 歩数計をつけ、一日一万歩を習慣づける。使わない運動器具が捨てられます。
いくら時間がかかったっていいじゃありませんか。大切なのは、現実が変わることです。
「いつか、時間ができたら」
なんて、絵に描いた餅を指をくわえて眺めているよりも着実に身に付く習慣をゆっくり獲得していった方が、絶対お得なのですから。
ちょっとづつでいいから、今からですね。:-)
ストックしない
「安いから」という理由でモノを買う習慣を改めるのによいのが、「ストックしなくてもわりあい平気」ということに気付くことです。
例えばラップフィルム。1日で使い切ってしまうようなことはめったにありませんが、スーパーで安売りされやすい品なので、ついつい買ってしまっていないでしょうか。「そうはいってもなくなると困るから、1つはストックしておきたい」という気持ちもわかります。ですが、無いならないで何かで代用できると思いませんか?ラップがなければ、お皿や茶碗をふせて蓋にするとか、ありあわせのポリ袋をかぶせてもよいです。
例えばティッシュ。鼻をかむのにティッシュではいけないなどと誰が決めたのでしょうか。古ハンカチやガーゼでも代用できますし、洗面台に行けば手鼻だってかめます。
「無くなったら、どうすればいいか」を知っていれば、ストックしなくてはならないモノは減ります。
持たない暮らしの”七つの習慣”
- もらわない
- 買わない
- ストックしない
- 捨てる
- 代用する
- 借りる
- なしで済ます
シンプルですね!
もらいものは「受け取った時点で完了している」
使いようのないもの、飾りたくないモノを「おみやげ」や「プレゼント」で頂くことは、実は少なくありません。せっかく貰ったモノを捨てては失礼なのは確か。でも、そういうおみやげやプレゼントというのは、往々にして、あなたが嬉しそうに受け取った時点で相手の心は満足しているものなのです。決して相手に知られないのであれば、あなたのために、処分しましょう。
引き出物や御中元・お歳暮についても、おみやげやプレゼントと同様に頂いた時点で相手の顔は立っているので、心おきなく処分してよいですね。
タイムイズマネー・モノイズタイム
面白い考察がありました。
モノが溢れ、ごちゃごちゃした暮らしは、人を混乱させ、無気力にさせます。
モノが溢れた生活がストレスになるのは、モノが本質的に「時間のカタマリ」だからではないでしょうか。
どんなつまらないモノも、地球上の何らかの資源を使って、工場の機械を使ってとはいえ、確実に誰か人間の手を経て、作られているのです。
紙一枚にしても、木が必要です。種が木に成長し、誰かが切り倒し、工場に運ばれ、いつくもの工程を経て紙になります。それが売られて買われるまでにもたくさんの道のりがあります。どんなモノでも時間が凝縮されていると考えると、つまらないモノがストレスになる理由がわかった気がします。
情報も捨てる
食事を楽しむためにはグルメ情報が欠かせないと思われがちですが、グルメ情報は流動性が高く応用がききません。
グルメ情報や、専門的な栄養の知識は必要ありません。地場にある、季節のおいしいモノをたくさん知っていて、それをどう食べたらおいしいか、楽しいかをどれだけ思い浮かべることができるかが大切です。そしてそれをどう盛りつけ、誰とどこで食べるか。もちろん、自分で作れれば最高でしょう。
季節のおいしいものを知っておくのは、いいですね。知らないお店に行ったときでも、当たりを引きやすくなります。
「何を持つか」より「何を持たないか」
自分が大切なものを見失わないために。
「今」を生きる自分でいるために。
そのために、「持たない暮らし」をはじめましょう。
雑誌のグラビアみたいに、オシャレじゃなくてもいいのです。
何もない暮らしが「持たない暮らし」なわけでもないのです。
100人いれば100通りの「持たない暮らし」があるはずです。
「何を持つか」よい「何を持たないか」が、もしかしたら、その人を表しているのかもしれません。
モノが溢れている現代においては、「何を持たないか」が個性になり得ますね。
最後に
巷にあふれる収納術本や、節約本、整理術本とは違ったさわやかさがある本でした。ここで紹介したこと以外にもたくさんいいことが書いてあります。この本は手に入れてもいいモノだと思いますので、気になった方はぜひ :-)
2007-03-20 追記:参考までに、著者の金子由紀子さんはAll Aboutでシンプルライフのガイドをされていましたので、こちらも併せてぜひ。
2007-03-22 追記:この引用について、著者の金子由紀子さんに許可を頂きました。(一般的にOKという話ではなく、今回の件についてのみです)
アスペクト (2006/12/01)
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とってもよかったです
すばらしい!!
モノを持たない気持ちよさ




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