意外な事実だらけの加湿器の使い方「感覚は嘘」「石油ヒーターで湿度上昇」

加湿器、使ってます?僕も昔からずっと使っていますが、加湿器をつけるときといえば「なんとなく乾燥してる気がする」とか、簡易的な湿度計で湿度を見て「あ、乾燥してる」ってときにつけたりと、けっこういいかげんに使ってきました。

ところが、2010年1月6日放送のNHKの情報番組「ためしてガッテン~うるおいを我が家に!加湿器ウルトラ活用術~」を観たところ、湿度や加湿器について知らないことだらけだったので、ご紹介します。

快適な湿度は40~60%

まず前提として、人間が生活する上で快適とされる湿度は40~60%が効果的だということでした。

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25%以下だと目が乾き、30%以下だと肌が乾き、40~50%以下だとインフルエンザが長期間生存するらしいです。番組では「40%を下回ると、乾燥している」と定義していました。

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逆に湿度が高い状態は60%からで、これは、日本の木造家屋を前提とした場合、カビが発生する危険があるとしていました。

ということで、望ましい湿度は40~60%でした。結構、狭いですねえ。

人間の湿度感覚はあてにならない!

「乾燥してるな~」とか「湿気が高いな~」とか、思いますよね。でも、人間の湿度感覚はあてにならないらしいです。

番組では、室内の空気環境について勉強している大学院生(いわば空気のプロ志望者)に、様々な湿度の環境で読書をしてもらい、そのときの部屋の感想を述べてもらうという実験を行っていました。

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大学院生に、部屋の空気について感想を書いてもらう実験。

その結果、高すぎる湿度でも「ちょうどよい」「コンタクトレンズが乾く」と思ったり、日常ありえないような低い湿度でも「快適です」という感想が出ました。(湿度に応じた正しい感想もありました)

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湿度80%で「快適」

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湿度80%で「コンタクトレンズが乾く」

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湿度20%で「一番快適」

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湿度20%で「湿度は高め」!

あとから結果を知らされた学生さんたちは、感覚と実際との違いに驚いていました。

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熱くも寒くもない環境だと人は湿度を感知しづらい

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専門家によると、人は、空気の温度が高い状態だと湿度の影響を感じ取ることはできるが、実験で行われたような熱くも寒くもない環境だと湿度を正しく感知しづらいということでした。

確かに、日本の夏の湿度の高い日はすごく湿度が高いと感じますし、北海道やアメリカ西海岸へ行ったりすると「暑かったカラッとして気持ちよかった」という感想を言ったり聞いたりすることは、皆一様なように思います。

ということは屋内のような空調の整った環境では、人間の感覚はあてにならないということですね。

「のどの痛み」などは症状なので無視できない

次に、ある家庭での湿度の調査が行われました。その家庭では「夜、のどが乾く」というおばあちゃん(満喜子さん)、「のどが痛む」と訴えるあやこさん、「乾燥しない」というお父さん、そしてお母さんが住んでいました。湿度感覚はあてになりませんが、実際に体に出る影響は本物なので無視できないということで、その原因が探られました。

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おばあちゃんの原因は乾燥ではなく「ドライマウス」

取材班は住宅に高性能な湿度計を取り付け、湿度を測り続けました。しかし、おばあちゃんが長くいる自分の部屋は特に湿度が低くなることもなく、乾燥しているとは言い難い結果が出ました。

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じつはおばあちゃんは、飲んでいる薬の副作用で「ドライマウス」という症状が出ていたのでした。

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湿度は十分あっても口の中が乾燥する場合、対策としては「あめをなめる」「マスクをする」などして対応するとよいらしいです。ちなみに、本当にドライマウスの方は専門機関での治療をお薦めするとのことでした。

あやこさんとお父さんの違いは?

一方、「のどが痛い」と感じるあやこさんと、「乾燥しない」というお父さん。あやこさんはドライマウスでもなく、部屋の環境や間取りは似通っていてこれといった特徴はありません。両者とも加湿器も設置されていません。

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両者、帰宅直後からの湿度を測ってみることに。まず、お父さんの部屋は乾燥していませんでした。

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お父さんの帰宅直後の部屋の湿度は58%、その後ちょっと上がって寝るときは62%でした。

あやこさんの部屋は本当に乾燥していた

しかし、のどの痛みを訴えるあやこさんは、部屋の湿度は帰宅直後から急激に低下し、5分で湿度が40%を下回る乾燥状態に陥っていました。

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あやこさんの帰宅直後の部屋の湿度は53%。しかしわずか5分で乾燥状態に。乾燥状態は40分間も続いた。

原因はエアコン。気温が上がると湿度は低くなる

あやこさんの部屋の湿度その後、なぜかジグザグに上下を繰り返し、あやこさんが寝ると湿度は上がって落ち着きを取り戻しました。

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これはどういうことかというと、まず、湿度(相対湿度)というのは空気が水を含むことができる量の割合で決まります。そして空気は温度が上がると「空気が水を含むことができる量」が上がります。

あやこさんは帰宅直後にエアコンをつけており、そのせいで気温が上がって湿度が下がったのでした。そしてグラフ後半のジグザグは、エアコンの自動温度調節の働きによるものでした。

湿度と気温のグラフを並べるときれいに相関しているのがわかります。

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上が湿度で下が気温。気温が上がると湿度が下がり、逆も同じことになっている。

あやこさんの部屋の原因は「エアコン」ということがわかりました。解決策としては、「エアコンをつけている間だけ、加湿器をつける」のが望ましいそうです。

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お父さんの部屋も石油ファンヒーターで温めているのに、乾燥しなかった

お父さんの部屋では石油ファンヒーターが使われていました。石油ファンヒーターもエアコンと同じように空気を温めますから、湿度は下がるはずです。

実際に石油ファンヒーターをつけた直後は湿度は58%から42%まで一気に低下しました。

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しかし、その後湿度はぐんぐん上がり、就寝前には元より高い62%まで達していました。

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一体なぜでしょうか。その原因は、意外なところにありました。

石油ファンヒーターやガスヒーターは水分を出す!

実はなんと、石油ファンヒーターやガスヒーターなど、部屋の空気を使って燃焼するタイプの暖房器具は、科学反応によって水分を放出するのでした。要す

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番組紹介ページにはこう書いてありました。

実は、石油ストーブやガスファンヒーターなど、「燃やす」ことによって暖める暖房器具からは水分(水蒸気)が出ています。気温が上がっても、水分の絶対量が増えるので、あまり乾燥しないのです。これらの器具には加湿効果があるわけです。

石油やガスは、炭素(C)と水素(H)を含んでいます。これらが燃えると空気中の酸素(O)と結びつき、炭素は二酸化炭素(CO2)へ、水素は水(H2O)に変化するのです。(ただし、FF式のストーブは、排気が戸外へ出て行くので部屋の水分は増えません。)

スタジオではガスコンロに火をつけて、容器の外側に水滴がつく様子で、実際に炎から水分が出ていることを確認していました。水滴は火をつけた直後から付着しており、結露などではありません。

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なお、電気ストーブはもちろん、FF式のガスヒーター(部屋の外の空気で燃焼するタイプ)も、水分を出しません。

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結論:加湿器は加湿源が無いときに使い、あるときは使わない

加湿器の使い方の結論は、石油ファンヒーターなどの加湿源がある時は、水分は十分に供給されており、加湿器を使う必要は無いとのことでした。加湿源は石油ファンヒーター以外にも、観葉植物・水槽・食器洗い機なども含まれます

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たとえば台所と繋がっているリビングなどでは料理中には湿度は発生するでしょうし、食器洗い機などがあれば料理後でも湿度が発生しますので、加湿器はあまり必要なさそうですね。

簡易的な湿度計は、2~3年以内に交換。製造年月日も確認したい

何事もまずは計測から、とはいいますが、家庭用の簡易的な湿度計は番組では「2~3年で交換をおすすめします」と言っていました。番組で登場した家庭にあった湿度計では65%を指していたのに対し、番組側が用意した高性能な湿度計では51%を指していました。(何年使っていたかは述べられていませんでした)

ということは、湿度計を買うときは製造年月日を確認できれば、さらによさそうですね。

ちなみに湿度計を初めて買うならAmazonで1000円前後で買えるこちらがおすすめ。電波時計もついてきます。

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石油ファンヒーターやガスストーブが水分を出すというのは意外すぎ!

番組を観た感想としては、「石油ファンヒーターやガスストーブが水分を出す」というのがとにかく驚きでした。逆に、火が燃えているんだからなんとなく乾燥するなんて思っていましたが真逆だったとは、意外すぎました。

そういえば、石川県の実家にいたときはエアコンが無く全て石油ファンヒーターや石油ストーブで暖房していましたが、たしかに乾燥すると思ったことはあまりありませんでした。なんとなく冬だから乾燥を気にして水を入れたやかんをガスストーブの上に乗せたりしていましたが、もしかすると加湿しすぎていたかもしれません。(石川県の雪は水分を多く含んでいるので、もともと湿度が高めということもあったかもしれませんが)

「うちはガスストーブの上にやかんを乗せて加湿しているから、加湿器はいらないよ」と思っている方なんか多そうですから、加湿しすぎてカビたりなんかしないよう、十分ご注意ください。番組後半ではカビと湿度の関係についても詳しく説明していました。

なお、番組画像はNHKオンデマンドより引用させていただきました。画像右下の数字は、NHKオンデマンドでの再生時間位置(分:秒)となっています。(2014年1月13日時点ではNHKオンデマンド上での視聴はできなくなっています)

コメント / トラックバック

コメント / トラックバック 6 件

  1. [...] るなあ、とか。湿度によって肌への影響や体感温度が違ってきますからね。ちなみに湿度については「ガッテンから学ぶ「湿度」特集 : akiyan.com」もどうぞ。意外な事実も判明しますよ。 [...]

  2. 佐賀 より:

    前に聞いたことありましたが、わかりやすく再確認できてよかったです。

    ちなみに 科学反応->化学反応 ですね。

  3. [...] 人間の湿度感覚はあてにならない!加湿器の正しい使い方とは?石油…加湿器、使ってます?僕も昔からずっと使っていますが、加湿器をつけるときといえば「なんとなく乾燥してる [...]

  4. [...] 無しさん:2012/01/20(金) 14:33:06.57 :692 >>690 象印のポットってどれのことですか? 694:目のつけ所が名無しさん:2012/01/20(金) 14:45:04.70 :694 http://www.akiyan.com/blog/archives/2010/01/gatten-moisture.html [...]

  5. [...] ちんとした計測が必要です。(詳しくはためしてガッテンの湿度特集を参照のこと) [...]

  6. まぁちゃん より:

    教えて下さい
    旦那が寝る時から朝までブラズマ加湿器を付けばなしにします(-_-#)布団が湿った感じで毎日、布団干し大変です